複利とは?単利との違い
複利(ふくり)とは、元本だけでなく、運用期間中に得られた利息にもさらに利息が付く仕組みです。つまり、一度得た利息を再投資することで、その利息が新たな元本となり、次期以降の利息計算に組み込まれるため、資産が「利息が利息を生む」形で雪だるま式に増えていきます。
一方、単利(たんり)は元本にのみ利息が計算される方式で、運用期間が長くなっても1期あたりの利息が一定なのに対し、複利では運用期間が長いほど利息額が増加し、その差がどんどん大きくなるのが最大の特徴です。
なぜ複利が重要か?―“時間”を味方にする資産運用複利の威力:長期運用で差が歴然
単利の場合
元本100万円、年利3%で5年運用すると、毎年3万円ずつ利息がつき、5年後の利息合計は15万円。受取総額は115万円です。さらに長期で見ると、20年運用では利息合計が60万円、受取総額は160万円。30年運用では利息合計が90万円、受取総額は190万円になります。
複利の場合
同じ条件で運用すると、5年後には受取総額が約115万9,000円になります。長期運用だと複利効果がさらに大きくなり、20年運用では受取総額が約180万6,000円、30年運用では約242万7,000円にまで膨らみます。
このように、運用期間が伸びるほど「利息に利息がつく」複利の威力が際立ち、単利との差が大きく広がっていきます。
72の法則――資産が倍になる年数の目安
複利運用の効果を簡便に把握するための“72の法則”があります。
資産が2倍になる年数 ≒ 72 ÷ 年利(%)
たとえば、年利6%で運用すると:
72 ÷ 6 = 12年
約12年で元本が2倍になると見積もることができます。実際の計算式とは若干の誤差がありますが、長期運用プランを立てる際の目安として非常に有用です。
複利の計算式と具体例
複利計算の基本式
複利計算のもっとも基本的な式は以下のとおりです。
元利合計 = 元本 × (1 + 利率)^年数
- 元本:初期投資額
- 利率:年利(小数表記、たとえば3%なら0.03)
- 年数:運用期間(年単位)
具体例
たとえば、元本200万円を年利4%で20年間複利運用する場合。
200万円 × (1 + 0.04)^20 ≒ 200万円 × 2.191123 ≒ 438万2,246円
単利なら20年間で利息は200万円×0.04×20年=160万円、受取総額は360万円です。複利の場合は約438万円になるため、差は約78万円にもなります。
単利・複利簡易シミュレーター
複利を味方にする3つのポイント
- 早期に始めること
複利効果は時間に比例して大きくなるため、少額でも若いうちから運用を始めるほど有利です。20代で始めるのと50代で始めるのとでは、同じ利率・期間でも累積差が大きく開きます。 - 利息は必ず再投資すること
運用で得た利息を引き出さず、元本に組み入れて運用を続けることで、雪だるま式に資産が増加します。配当金や分配金がある投資信託・株式などでは、再投資型の設定を選ぶと複利効果を効率的に得られます。 - 非課税制度を活用すること
NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの非課税制度で運用益を得れば、税金負担を抑えたまま複利効果を最大化できます。運用益に対する20.315%の税金がかからないため、長期運用での差はさらに広がります。
複利運用に適した金融商品
- 投資信託(再投資型)
分配金を自動的に再投資するタイプを選ぶと、複利運用が容易です。 - 株式(配当再投資)
配当金を受け取らずに新株購入に充当する「DRIP(配当再投資プラン)」を利用すると複利効果を得られます。 - 債券(利札付)
受け取った利札(利息)を再投資することで、元本+利札の合計に対して再び利息が付く形を作れます。 - 預金(定期預金ロールオーバー)
定期預金満期後に元本と利息をまとめて再度定期預金に預ける方法で、複利効果を得ることが可能です。
複利運用のメリット・デメリット
メリット
- 長期で大きな成果:時間を味方にすることで、少額投資でも将来的に大きな資産形成が期待できます。
- 家計管理がしやすい:再投資型を選べば自動的に複利が働くため、運用手間を減らせます。
- 非課税メリットと相性◎:税制優遇制度と併用すると、最大限に複利効果を引き出せます。
デメリット
- 元本割れリスク:株式や投資信託などリスク資産で運用する場合、損失が損失を生む“マイナス複利”になり得ます。
- 途中引き出しのコスト:満期前に解約すると、金利優遇が失われるケースや手数料負担が発生する場合があります。長期間資金を固定する前提が必要です。
複利を効果的に活用するためのステップ
- 目的・期間を明確にする
教育資金、老後資金、マイホーム購入資金など、いつまでにいくら必要かを逆算して投資プランを立てましょう。 - リスク許容度に応じた商品選定
元本保証型(定期預金、債券)から、リスク・リターンの高い株式・投資信託まで、自分のリスク許容度に合わせて組み合わせます。 - 非課税口座の利用
NISA・つみたてNISA・iDeCoの枠を最大限活用し、運用益にかかる税金を抑えます。 - 自動積立設定
毎月一定額を自動的に投資できる積立設定を活用すると、時間分散(ドルコスト平均法)効果も得られ、複利運用と相性が良いです。 - 定期的な見直し
市場環境やライフステージの変化に合わせ、リバランスや投資配分の見直しを行うことで、複利効果を安定的に引き出せます。
まとめ:複利でじっくり資産形成を
複利は「長い時間」と「再投資」を味方につけることで、本来の元本以上に大きな資産成長をもたらす強力な仕組みです。若いうちから少額でも始めること、得られた利息を必ず再投資すること、そして非課税制度や自動積立を活用することで、あなたの資産形成を加速させることができます。
長期視点でコツコツと複利運用を続け、将来のライフプランをしっかりと実現していきましょう。

